名古屋鉄道は2026年8月3日、広見線の新可児―御嵩間(7.4キロ)を2029年4月1日に廃止すると発表しました。
沿線の岐阜県可児市・御嵩町・八百津町とは、2028年度末までの運行に関する協定を結んだ、と伝えられています。
本記事では、いま決まっていることと、代替交通がまだ固まっていないこと、あわせて「車があるから大丈夫」とは言い切れない背景を短く整理します。
内容は2026年8月3日時点です。
いま決まっていること
- 廃止区間 … 広見線・新可児駅〜御嵩駅(7.4km)。途中に明智・顔戸・御嵩口など
- 廃止予定日 … 2029年4月1日
- それまで … 2028年度末までの運行で沿線市町と協定。従来どおりの運営支援も続く、との報道
- 手続き … 8月4日に国交相へ廃止届を出す予定、と発表
- 背景の数字 … 輸送人員はピーク時より大きく減り、2025年度は約78万人/年などと報じられている
なお、今回の発表の中心は新可児〜御嵩間です。
広見線の他区間の扱いは、公式発表の範囲で確認してください。
なぜここまで来たか
利用者の減少と設備の老朽化が、長く続いていました。
沿線市町は、運営支援金を出しながら運行を続けてきた経緯があります。
その後、自治体が施設側の負担を持つみなし上下分離で鉄道を残す協議が進みましたが、沿線市町は財政負担の大きさなどを理由に協議を終了した、と公表しています。
名鉄側も、民間事業者の自助努力だけでは存続が極めて困難、と判断した、との説明です。
勉強会では、選択肢が「みなし上下分離で鉄道存続」か「廃止してバスなどへ転換」に寄っていた、との整理もあります。
前者が閉じたあとの発表が、今回の廃止決定です。
代替は? いまは「これから」
方向性としては、バスなどへの転換を検討する、という話が出ています。
ただし2026年8月時点では、代替のダイヤや路線の確定版は出ていません。
廃止までまだ時間があるので、沿線市町が公共交通の組み直しを進める段階です。
ここで一つ、見落としやすい点があります。
地方ではバスの運転士不足が続いています。
「鉄道の代わりにバス」と書いてあっても、回す人が足りなければ、紙の上の代替にとどまりやすい。
代替の中身が固まるまで、運転士・事業者・運行本数の現実もあわせて見た方がよいテーマです。
「車があるから大丈夫」とも言い切れない
普段車で動いている人ほど、鉄道廃止を他人事に感じやすいです。
ただ、車社会の側も、同時に細っています。
- 免許返納や、運転を続けられない高齢世帯が増える
- 車検・保険・燃料など、車そのものの維持が重い
- 地方ではガソリンスタンドの廃業も続く
- 整備工場の仕事量・稼働も、車社会の縮小と一緒に揺れやすい
「車があるじゃん」は、いま元気に乗れている人の言葉です。
鉄道が薄くなり、バスも回しにくく、車の維持基盤まで痩せる——移動の選択肢がまとめて細る構図です。
広見線の一件は、岐阜のローカル線の話であると同時に、その構図の一例でもあります。
まとめ
- 名鉄広見線・新可児―御嵩は2029年4月1日廃止の方針
- 2028年度末までは運行継続の協定
- みなし上下分離での存続協議が終わったあとの決定
- 代替交通の詳細はこれから。バス転換と言っても運転士不足は別の壁
- 車があるから大丈夫、とも言い切れない。スタンドや整備の側も細っている
次に見るなら、沿線市町が示す代替交通の具体案と、実際に回せる体制があるかどうかです。
廃止まで時間がある分、そこが本番になります。

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